電話

朝の匂いが冷たくて少しだけ嬉しかった。しっかり歩こうと思えたから。

いつものように駅の改札を越えたところの売店で、チーズサンドを買った。列車の窓際座ると、西日がサーっと入り込んできてオレンジになってた。毎月のように乗ってるから、新千歳空港行きの快速エアポートにも慣れた。ぼけっとした顔でチーズサンド食べながら、眩しい光に少し目を細くしながらも窓の外を見ながら終点まで。

でもなんだか、いつもと、気持ちが、違ったのは確かだ。なんでだろう。
少し、ふわーっとしてる。なんでだろう。とか思いながら、終点に着く頃にはいつも通りお腹が痛くなってきてた。


誰も悲しくならない歌を歌えたら、どんなに幸せなんだろう。そんなつもりはないけれど、誰かが悲しくなってしまう歌しか歌えないのは、なんでだろう。いつになれば、僕は強くたくましくなれるんだろうか。誰にも悲しくなんてなってほしくないのに、僕が歌うといつもそうだ。
それが嫌だったらやめろよって話だけど、でもそれも違うから、僕はもう少し歌ってみることにする。ごめんね、ありがとう。


16:40、飛行機が飛んだ。
今は17:12。携帯電話を機内モードにして、この文を打ってる。
明日新宿マーブルでの30分を精一杯駆け抜けて、あさっての朝8:45の飛行機で札幌に戻ってくる。明日の30分しか僕にはない。



思い出は通り過ぎていって、寝不足の白い息が涙ながらに歌ってる。相変わらず、僕は神様に祈るよ。情けないけど、そんなことくらいしかできない。



笑って笑って、笑って、笑って。
笑えて。頼むぞ神様。

コメント

  1. 人に言えない気持ちになって耐えられないかもと思ったときに"窮屈な唾"を聴きました。
    ありがとう。

    明日、笑っていてくれたら嬉しい。
    でも、無理はしないでね。

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    1. 聴いてくれて嬉しいです、ありがとうございます。誰にも言わなくていいよ。
      朝がきました、がんばります

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